素晴らしいですSUMIKAproject
- Date
- 2009-05-17 (日)
こんにちは
先日、東京ガスさんの主催するSUMIKA projectにいってまいりました。
これは、伊藤豊雄さんをはじめとする4人の建築家(藤森照信さん、西沢大良さん、藤本荘介さん)が、現代の住まいをテーマに、それぞれ住宅をつくってしまうというもの。
我々のように住宅を設計するものにとってはどうしても見なければいけないものとして大注目していたので、お誘い頂いたときは飛びついてしまいました。
そんなミーハー心まるだしのもと着いた先は宇都宮の住宅街。いきなり現れたのは西沢さんと藤本さんの作品。
西沢さんの住宅は、この地域の風の方位を考慮、風洞実験により構造のデザインが行なわれたもの。屋根にある開口はそれぞれ生活者の一日の活動の場にスポットがあたるようにあけられています。コンセプトはシンプルですが、その構造の見せかたといいなんとも繊細で美しいお家です。こんなお家にすみたいと素直に思います。
外観
これが屋根、構造部のデザイン。
スティール扉がぐるっと全開放。
ちなみに左に見える柱は実は杭なんです。すごいことやりますね。
そして、なんといっても楽しいのは藤本さんの設計した「house before house」。
すばらしいの一言。森と住処が入り乱れて混在している状態。それがなんとも美しく表現されていて、身体的なスケール感といい、ディテールといい、一気に魅了されました。以前の著書で表現されていたことがそのままそこに実在している喜び、本当に楽しいお家です。がっつりと影響を受けてしまいそうで怖いくらいです。
異常に?小さい登り口の穴。秘密基地みたいで素敵。
扉のサイズも小さくていいんです。
その後藤森さんのコールハウスを拝見し、いよいよ伊藤豊雄さんのSUMIKAパヴィリオンへ。
木陰のイメージをもつ、木によるランダムな構造体。これを折り曲げ、ボックス型にしたもの、なんて言い方は難しいですが、そんな建物です。TOD`Sビルの木造版といったところでしょうか。とにかくその構造のディテールが素晴らしい。木同士のジョイントは、中に鉄筋と樹脂により接合されて、外部にはいっさい金物など出て来ておらずビタッと決まっておりました。
そんなところに魅了されつつ細かいところを見ていくうちに、個人的に懐かしい思いと言ってはおこがましいのですが、昔僕が現場で坂本一成さんの建物を担当していたときの思い出を随所に見る事ができました。外壁に使われていた特殊な防水塗料や、見覚えのある雰囲気の家具、後で調べたらやはり家具はイノウエインダストリィさんでした。実は坂本さんのところに入っていた家具屋さんがイノウエさんで、その家具がとても素敵なフィンランドバーチ合板だったので、後日プライベートで担当者さんに同じ仕様のテーブルと棚を作ってもらったんです。(確かちょうど伊藤豊雄さんの展示会でお忙しい時期で、本当にご迷惑をおかけしてしまいました)。パヴィリオンにある丸テーブルやキッチンを見て、あの頃の大勢の若い人達が夜な夜ながんばってくれていた姿を思い出してしまいました。
この建物は、そんなデザインする側、実際それを作る側、それぞれのスピリットが痛いぐらい伝わってくる様な作品でした。
外観
構造のジョイント部。
防水塗装とおさまり。
すごく難しいはず。かっこよすぎですね。
さて、一日かけてこれらを見てまいりましたが、それでは全然足りないぐらいの濃い内容でした。今のところ一般開放されるのかどうか決まっていないそうですが、とにかくチャンスがあれば、ぜったいに見るべきプロジェクトです。教科書として、何度も足を運びたいと素直に思える住宅でした。ご招待してくださいました東京ガスさんには本当に感謝です。またこんな企画を次々に打ち出していただきたいです。
MARMO一級建築士事務所 森田 陽
e-mail : info@marmo.jp
URL: http://www8.ocn.ne.jp/~marmo
